冷媒配管用プレス継手の耐久性は何で決まる?RLSプレス継手の構造を解説

冷媒配管用プレス継手に求められる性能は、「施工時に問題なく配管を接合できるか」だけではありません。建物の使用期間を通じて、圧力変動や温度サイクル、湿度、振動などの負荷を受けながらも、安定した気密性を維持できることが重要です。 

そのためRLSのプレス式継手は、金属同士の二重の360°圧着バンドとHNBR素材のOリングによるデュアルシーリング構造を採用し、長期間にわたり安定した気密性を維持できるよう設計されています。また、世界で2,000万件以上の施工実績を有し、15年限定保証を提供しています。 

本記事では、冷媒配管用プレス継手の耐久性を左右する要素と、RLSプレス継手が長期間にわたり安定した気密性を維持できる仕組みを解説します。 

冷媒配管用プレス継手の耐久性を左右する3つの要素 

冷媒配管用プレス継手を選定する際は、「施工性(人的ミスなく施工できるかどうか)」だけでなく、「長期間にわたり安定した性能を維持できるか」という視点も重要です。特に業務用空調設備やVRFシステム(ビル用マルチエアコン)では、10年あるいはそれ以上の長期運用が前提となるため、実際の使用環境においても性能を維持できることが求められます。冷媒配管用プレス継手の耐久性を左右する主な要素は、次の3点です。 

  • 圧力サイクルへの耐性:VRFシステムでは、運転・停止を繰り返すことで配管内の圧力が日常的に変動します。こうした圧力サイクルが繰り返される環境でも、継手の接合部が安定した気密性を維持できることが重要です。 
  • Oリングの長期的なシール性能シール材には、冷媒やコンプレッサーオイル、使用温度などの条件下でも性能を維持できることが求められます。経年による劣化を抑え、長期間にわたって冷媒漏えいを防止できることが重要です。 
  • 使用環境に対する耐久性:天井裏などに設置される冷媒配管は、湿度や温度変化、設備振動、地震など、さまざまな環境負荷を受けます。こうした条件下でも継手の性能を維持できる材質と構造であることが重要です。 

RLSプレス継手は、これらの要件を満たすため、金属同士の圧着による固定と、HNBR素材のOリングによるシールを組み合わせたデュアルシーリング構造を採用しています。金属部が継手を確実に固定し、HNBR素材のOリングが高い気密性を維持することで、それぞれの特長を生かしながら、長期間にわたる安定した性能を実現しています。 

RLSプレス継手の仕組み:焼なまし銅とHNBR素材のOリングが耐久性を実現 

RLSプレス継手には、冷媒配管用として規格に適合した焼なまし銅(ASTM B75、ASTM B743)を採用しています。焼なまし銅は、プレス施工時に塑性変形するとともに加工硬化が生じる特性を持ち、継手と配管を強固に固定します。これにより、長期間にわたって安定した接続を維持します。 

また、継手の耐久性を支えるうえで重要なのが、シール材に採用しているHNBR(Hydrogenated Nitrile Butadiene Rubber:水素添加ニトリルゴム)素材のOリングです。HNBRは、一般的なNBR(ニトリルゴム)を水素添加することで、耐熱性、耐オゾン性、耐薬品性、圧縮永久ひずみ特性を向上させた素材です。JIS B 2401:2012にも規定されており、冷媒やコンプレッサーオイルにさらされる空調・冷凍設備に適したシール材として広く使用されています。 

RLSプレス継手に採用しているHNBR素材のOリングは、-40℃~149℃の使用温度範囲に対応しており、R32をはじめとする冷媒配管にも適した性能を備えています。 

項目 NBR HNBRRLS使用) 
最高使用温度 約120°C 約149°C 
耐オゾン・耐紫外線性 経年劣化しやすい 長期間性能を維持 
対応冷媒 従来冷媒が中心 R410A、R32、R448A、R1234yf、POEオイルに対応 
圧縮永久ひずみ特性 高温環境では低下しやすい 長期間シール性能を維持 

近年普及が進むR32などのA2L冷媒を使用する設備では、Oリングの材質が長期的なシール性能を左右します。RLSプレス継手は、冷媒配管用として適した焼なまし銅管とHNBR素材のOリングを組み合わせたデュアルシーリング構造を採用することで、部材レベルから耐久性を高め、長期間にわたり安定したシール性能を実現しています。 

デュアルシーリング構造が長期間にわたり気密性を維持する理由 

一般的なプレス継手の中には、Oリングのみで気密性を確保する構造の製品もあります。この場合、長期的なシール性能はOリングの状態に大きく左右されます。一方、RLSプレス継手は、金属同士の360°圧着(二重のバンド)とHNBR素材のOリングによるシールを組み合わせたデュアルシーリング構造を採用しています。これら2つの機能を1回のプレス施工で形成することで、高い接合強度と気密性を両立しています。 

  • 金属同士の圧着:継手(焼なまし銅管)が配管に二重のバンドで360°圧着されることで、継手と配管が強固に固定されます。金属同士の固定により、安定した接合強度を維持します。 
  • HNBR素材のOリングによるシールOリングは継手と配管の間で圧縮され、冷媒回路の気密性を確保します。金属同士の固定とは異なる役割を担い、高いシール性能を発揮します。 

このように、接合強度とシール性能を別々の仕組みで確保することで、圧力サイクルや温度変化、設備振動などの負荷が繰り返される環境でも、長期間にわたり安定した性能を維持します。この設計が、RLSプレス継手の耐久性を支えています。 

さらに、プレス継手の耐久性については、第三者による評価結果も報告されています。ASHRAEの研究プロジェクト「RP-1808」では、複数の冷媒配管接合方式を比較した結果、プレス継手は耐久性試験において不具合が確認されず、施工時の不具合発生率も最も低い結果となりました。RLSプレス継手は、耐久性を更に高める独自のデュアルシーリング構造を採用することで、建物の使用期間を通じた長期的な安定性を追求しています。 

実環境で実証された耐振動性とUL109適合 

商業施設やオフィスビルなどの空調設備では、冷媒配管は一定の環境下で使用されるわけではありません。日々の運転・停止による圧力サイクルや温度変化に加え、天井裏などの高湿度環境、冷媒やコンプレッサーオイルへの曝露、設備振動や地震など、さまざまな負荷を受けつづけます。 

RLSプレス継手は、こうした実際の使用環境を想定して設計されています。焼なまし銅は湿度や冷媒環境下でも安定した接合性能を維持し、HNBR素材のOリングは-40℃~149℃の使用温度範囲に対応しています。さらに、デュアルシーリング構造により、温度変化による配管の熱膨張・収縮が繰り返される環境でも、安定した気密性を維持します。 

また、設備配管では、地震だけでなく、コンプレッサーや機器の運転に伴う振動も継手に継続的な負荷を与えます。RLSプレス継手はUL109に適合しており、振動や繰り返し荷重を受ける条件下でも、冷媒漏えいが発生しない性能が確認されています。 

このように、RLSプレス継手は実際の設備環境で想定されるさまざまな負荷を考慮して設計されており、長期にわたって安定した性能を維持できる冷媒配管用プレス継手として、多くの空調設備で採用されています。 

メンテナンス負荷の低減とフロン排出抑制法への対応 

配管の接続方法は、施工時だけでなく、その後の維持管理にも影響します。RLSプレス継手は、専用ツールによる1回のプレスで、金属同士の圧着とHNBR素材のOリングによるシールを同時に形成します。施工後の増し締めや再調整を必要とせず、安定した品質で施工できるよう設計されています。 

安定した施工品質は、冷媒漏えいリスクの低減にも繋がります。フロン排出抑制法では、業務用冷凍空調機器の管理者に対して、冷媒漏えいの点検や適切な管理が求められています。施工品質を安定させ、長期間にわたり気密性を維持できる継手を採用することは、冷媒漏えいリスクの低減という観点からも重要です。 

RLSプレス継手は、世界20か国以上で2,000万件を超える施工実績を有し、商業施設や病院、データセンターをはじめとするさまざまな施設で採用されています。また、長期運用を見据えた冷媒配管システムを支えるため、15年限定保証を提供しています。 

まとめ  

RLSプレス継手は独自の構造により、業務用空調設備・冷凍設備で長期的な耐久性を実現しています。 

  • デュアルシーリング構造 
    金属同士の二重の360°圧着バンドによる固定と、HNBR素材のOリングによるシールを組み合わせた構造です。接続強度とシール性能をそれぞれ異なる仕組みで確保することで、圧力サイクル、温度変化、振動などの負荷を受ける環境でも、長期間にわたり安定した性能を維持します。 
  • HNBR素材のOリング 
    -40℃~149℃の使用温度範囲に対応し、R410A、R32、R448A、R1234yf、POEオイルにも対応しています。A2L冷媒を使用するVRFシステムや業務用空調設備においても、長期的な気密性の維持に貢献します。 
  • ISO14903、UL109に適合 
    振動や繰り返し荷重を受ける条件下でも、冷媒漏えいが発生しない性能が確認されています。地震や設備振動などの負荷を受ける冷媒配管において、耐振動性は重要な要素です。 
  • 専用ツールによる1プッシュ施工 
    施工後の増し締めや再調整を必要とせず、メンテナンス負荷の低減にも繋がります。安定した施工品質により、フロン排出抑制法で求められる冷媒漏えい管理の観点からも、リスク低減に寄与します。  

RLSプレス継手をご検討中の方へ   

VRFシステムや業務用空調設備・冷凍設備の冷媒配管において、火気を使用しない施工方法をご検討の際は、RLSプレス継手の製品情報もぜひご覧ください。 

また、RLSプレス継手をご使用いただいているお客様は、施工事例や現場での活用事例をぜひSNSでご紹介ください。皆さまの投稿をお待ちしています。 

プレス継手の詳細については、RLS Japanまでお気軽にお問い合わせください。

参考資料


最新記事

テナント入居中のビル空調工事を効率化|火気を使わないRLSの冷媒配管施工 

RLSプレス継手の信頼性とは?冷媒漏えい・振動・長期性能への対応を解説

RLSプレス継手の技術:火無しHVAC/R配管施工の仕組み