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建設業界における人手不足は、一時的な景気変動によるものではなく、少子高齢化や技能者の減少を背景とした構造的な課題となっています。国土交通省の資料によると、建設技能者の約3分の1が55歳以上である一方、29歳以下は約1割にとどまっており、今後も技能者不足が進行すると見込まれています。さらに、2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用され、限られた人数・限られた労働時間の中で工事を進める必要があります(いわゆる「2024年問題」)。そのため、従来と同じ施工体制を維持することが難しくなる現場も増えています。
こうした人手不足や2024年問題は、冷媒配管工事にも大きな影響を与えています。特にろう付けは、高い施工品質を確保するために技能と経験が求められる施工方法であり、技能を持つ施工者の確保や工程調整が工期や施工計画に影響を及ぼすことがあります。一方、近年では、専用プレスツールを使用する火無し継手(プレス式継手)の採用も広がっています。プレス式継手は、施工時間の短縮に加え、施工者への教育負担を軽減し、技能者への依存を抑えられる施工方法の一つとして注目されています。本記事では、建設業界における人手不足の現状を整理するとともに、冷媒配管工事においてプレス式継手が施工体制の効率化にどのように貢献するのかを解説します。
建設業界の人手不足は一時的ではなく構造的な課題
建設業界における人手不足は、一時的な景気変動によるものではなく、少子高齢化や就業者数の減少を背景とした構造的な課題となっています。国土交通省の2024年の資料によると、日本の建設業では人材の高齢化が進んでおり、世代交代だけで現在の人材不足を解消することは難しい状況です。
- 55歳以上:建設就業者全体の36.7%
- 29歳以下:建設就業者全体の11.7%
- 建設業就業者数:1997年の約685万人から、2023年には約483万人へ減少
- 建設技能者数:約455万人から約304万人へ減少
また、65歳以上の建設就業者は約80万人に達しており、今後10年程度で多くの熟練技能者が引退すると見込まれています。一方、その技術を引き継ぐ若年層は十分に確保できておらず、国土交通省でも次世代への技術継承を建設業における重要な課題として位置付けています。
冷媒配管工事のように、高い技能を必要とする施工では、この影響はより大きくなります。技能者の確保が難しくなることは、施工品質だけでなく、工期や施工体制にも影響を及ぼすため、現場では施工方法そのものを見直す動きも進んでいます。
2024年問題により、限られた人員での施工が求められる
なぜろう付けは人手不足と2024年問題の影響を受けやすいのか
ろう付けは、冷媒配管を接合するための実績ある施工方法である一方、人手不足や労働時間の制約を受けやすい側面もあります。
その理由の一つが、施工に必要な技能です。ろう付けは、高い施工品質を確保するために技能が求められる施工方法であり、経験を積んだ施工者によって行われます。特に、VRF(ビル用マルチエアコン)のように、冷媒配管長が長く、多数の冷媒配管接合部を有する空調システムでは、それぞれの接合箇所で適切な施工を行うため、技能を持つ施工者の確保や工程調整が重要になります。
建設業界では熟練技能者の高齢化が進む一方、若手人材の確保が課題となっています。さらに、時間外労働の上限規制により、一人あたりが現場で作業できる時間も限られるようになりました。その結果、技能を要する工程は、工期や施工計画全体に影響を及ぼしやすくなっています。
加えて、現場では次のような要因も工程に影響します。
- 技能を持つ施工者の確保:地域や時期によっては、必要な技能を持つ施工者の確保が難しく、工程調整が必要になる場合があります。
- 火気を使用する施工に伴う準備:消防法に基づく火気使用に関する申請や安全管理、火気監視、ガスボンベの搬入など、配管接合以外の工程も必要になります。
- 施設を稼働しながら行う改修工事:ホテル、病院、オフィスビルなどでは、営業や施設運営への影響を考慮し、作業時間帯や施工範囲を調整する必要があります。
これらはろう付けという施工方法を否定するものではなく、現在の建設業界を取り巻く人手不足や労働環境の変化により、技能者の確保や工程管理が従来以上に重要になっていることを示しています。そのため、施工条件に応じて、火無し施工を含めたさまざまな施工方法を検討するケースも増えています。
プレス式継手が人手不足への対応に貢献する理由
プレス式継手は、専用プレスツールによる機械的な圧着によって配管を接合する施工方法です。ろう付けのように加熱やろう材の流し込みを行う必要がなく、メーカーが定める施工手順に従って施工します。施工方法を習得するための期間を短縮できることから、施工体制の構築や教育負担の軽減にもつながります。また、プレスツールによる圧着で接合を行うため、施工品質を安定させやすい点も特長です。適切な施工手順に従うことを前提として、専用ツールを使用することで一定の品質で施工でき、施工確認の方法も標準化されております。
施工体制という観点では、次のような違いがあります。
| 項目 | ろう付け | RLSプレス継手 |
| 施工技能 | ろう付け技能の習得が必要 | 短時間の施工トレーニングで習得可能 |
| 習得期間の目安 | 数か月~数年 | 数時間~数日 |
| 施工品質を左右する要素 | 施工者の技能 | 専用ツールによる圧着技術により、施工品質を一定に保ちやすい |
| 狭小空間での施工 | 作業スペースや火気管理の影響を受けやすい | 火気を使用せず、専用ツールで圧着できるため施工しやすい |
| 1カ所あたりの施工時間 | 施工条件や作業内容によって異なる | 10秒未満 |
| 火気使用申請・火気監視 | 必要 | 不要 |
このような特長により、プレス式継手は施工体制の柔軟性向上にも貢献します。短時間のトレーニングを受けた施工者であれば施工できるため、技能者の確保に要する負担を軽減しやすくなります。また、2024年問題により労働時間が制限される中でも、限られた作業時間を有効に活用しやすくなります。もちろん、プレス式継手であっても、冷媒配管に関する知識や適切な施工管理は欠かせません。しかし、施工方法を習得するまでの期間を短縮できることは、日本が抱える構造的な課題を解決する有効な選択肢の一つと考えられます。
RLSプレス継手は、継手1カ所あたりの施工時間を10秒未満としており、ろう付けと比較して最大60%の施工時間短縮を実現します。接合箇所が多数に及ぶVRF(ビル用マルチエアコン)や業務用空調設備では、この施工時間の短縮効果が積み重なることで、工期の短縮や施工効率の向上にも貢献します。
人手不足時代の施工を支えるRLSプレス継手
新しい施工方法を採用する際には、施工効率だけでなく、冷媒配管に求められる性能や信頼性を満たしていることが重要です。施工時間を短縮できても、気密性や耐久性、第三者認証機関による品質保証などが十分でなければ、業務用空調設備やVRF(ビル用マルチエアコン)への採用は難しくなります。
RLSプレス継手は、冷媒配管用プレス式継手として、次のような性能・認証を備えています。
- ISO 14903に基づく気密性能試験に適合
- UL207認証を取得(最高使用圧力4.8MPa〔700psi〕)
- UL109に適合し、振動環境における耐久性を確認
- HNBR素材のOリングを採用し、JIS B 2401:2012に準拠。使用温度範囲は**-40℃~149℃**で、R410A、R32、R448A、R1234yf、POEオイルに対応
- 15年限定保証
- 2015年以降、世界20か国以上で2,000万件を超える施工実績
RLSプレス継手は、冷媒配管向けに設計されたデュアルシーリング構造を採用しています。金属同士の二重の360°圧着バンドとHNBR素材のOリングを1回のプレス施工で形成することで、高い接合強度と気密性を実現しています。
人手不足や2024年問題への対応が求められる現在、施工方法の選定では、施工効率だけでなく、性能や信頼性を総合的に評価することが重要です。RLSプレス継手は、短時間の施工トレーニングで施工方法を習得できることに加え、各種認証や全世界での施工実績を備えた冷媒配管用プレス式継手として、業務用空調設備やVRF工事における選択肢の一つとなります。
RLSプレス継手をご検討中の方へ
火気を使用しない施工方法をご検討の際は、RLSプレス継手の製品情報もぜひご覧ください。
また、RLSプレス継手をご使用いただいているお客様は、施工事例や現場での活用事例をぜひSNSでご紹介ください。皆さまの投稿をお待ちしています。
プレス継手の詳細については、RLS Japanまでお気軽にお問い合わせください。
参考資料
- https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001855436.pdf
- https://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/r06/hakusho/r07/html/n1111000.html
- https://www.nikkenren.com/publication/handbook/chart6-4/index.html
- https://daiku-sodateru.mlit.go.jp/data/807e5605b217ca2cd09298d9a4a25c62.pdf
- https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/001670286.pdf
- https://www.jraia.or.jp/product/file/A2L_guide_2025_250416.pdf
- https://rapidlockingsystem.com/resources/hvac-press-fitting-certifications/
- https://docs.lib.purdue.edu/iracc/1940