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R32などの微燃性(A2L)冷媒への急速な義務化・移行が進み、一般社団法人日本冷凍空調工業会(JRAIA)が策定する「JRA GL-16(微燃性冷媒を使用した業務用エアコンの冷媒漏えい時の安全確保のための施設ガイドライン)」に基づいて、設備設計・施工を行うケースが増えています。
「JRA GL-16」は、微燃性冷媒が漏えいした際の安全を確保するために重要な役割を果たすガイドラインです。一方で、ガイドラインにおける継手の記載について、現場でさまざまな解釈がなされ、継手選定や安全対策の検討に影響を与えているケースも見られます。
本記事では、「JRA GL-16」の記載内容が継手選定にどのような影響を与えているのかを整理するとともに、安全対策を検討する際に押さえておきたいポイントや、継手を選定する際の考え方について解説します。
「JRA GL-16」における継手の扱いと継手選定の考え方
「JRA GL-16」では、微燃性(A2L)冷媒が漏えいした際の安全確保を目的として、冷媒の漏えい想定箇所や、必要となる安全対策について定めています。その中で、一定の要件を満たす「ISO 14903に適合するねじ接合継手」は、冷媒漏えい時の安全対策を検討する際、漏えい想定箇所から除外される対象として扱われています。これは、ねじ接合継手が一般高圧ガス保安規則の例示基準26において「毒ガス用の継手」として認められていることに基づくものです。
「ISO 14903」とは、冷凍システムやヒートポンプに使用される部品・接合部の気密性能を評価する国際規格です。
一方、プレス式継手を含むその他の火無し継手については、「ISO 14903」に適合している場合であっても、現行のガイドラインでは、ねじ接合継手と同様に漏えい想定箇所から除外される対象としては明記されていません。
この記載により、「ねじ接合継手を使用すれば安全対策要否の判定は不要になる」と誤解されているお客様もいらっしゃいます。しかし実際には、継手の種類にかかわらず、すべての物件で安全対策要否の判定を行う必要があります。そのうえで、次のいずれかに該当する場合は、安全対策は不要となり、R32冷媒についてもR410Aと同様の据付条件となります。
- 最大冷媒濃度が規定値(LFL/4)を超えない場合
- 気密性が高い天井裏(例:クリーンルーム)に設置される場合
一方、これらの条件に該当しない場合は、以下の安全対策が必要となります。
- 室内機内側(主に熱交換器):検知警報装置+遮断弁、または機械換気装置を設置
- 室内機外側(主に配管接合部):検知警報装置を設置 ※
※LFL/4を超える居室において、接合部に冷媒漏えい想定箇所から除外されているねじ接合継手を使用した場合、冷媒漏えいが発生しない前提(施工時の人的ミスが発生しない前提)となっていることから、お客様の判断により設置を免除することができます。
また、「ISO 14903」に適合したプレス式継手についても、安全性がねじ接合継手より劣るというものではありません。国際規格に適合した継手であれば、施工要領書に従って適切に施工することで安全性は確保されます。一方、施工時に人的ミスが発生した場合には、継手の種類にかかわらず、冷媒漏えいのリスクは存在します。
このように、ガイドライン上で特定の接合方式が漏えい想定箇所から除外されることと、継手そのものの性能や信頼性を評価することは、分けて考える必要があります。安全対策の要否は、継手の種類だけで決まるものではなく、すべての物件について冷媒量や設置条件などを踏まえて個別に判定する必要があります。継手を選定する際には、「JRA GL-16」における扱いだけでなく、適合規格や製品性能、施工条件なども含めて総合的に確認することが重要です。
継手選定では何を確認すべきか
プレス式継手を含む火無し継手の中には、「ISO 14903」に基づく試験への適合が確認されている製品もあります。なお、RLSプレス継手はISO 14903適合製品となります。
一方、「JRA GL-16」は、各接合方式の性能や施工性を比較・評価することを目的としたガイドラインではありません。そのため、ガイドラインにおける扱いのみをもって、「ISO 14903」に適合したプレス式継手が、ねじ接合継手よりも劣ると判断することは適切ではありません。継手の安全性については、規格への適合だけでなく、製品仕様や使用条件、施工方法なども含めて総合的に確認する必要があります。
継手を選定する際には、接合方式だけではなく、次のような観点を総合的に確認することが重要です。
- 適合する規格や第三者認証
- 最高使用圧力・使用温度
- 対応する冷媒・冷凍機油
- 圧力サイクルや振動に対する耐久性
- 継手の構造やシール方式
- 施工要領と施工管理方法
- 現場の施工条件や火気使用の可否
- 施工後の品質確認方法
ガイドラインを踏まえた継手選定の考え方
継手を選定する際には、「JRA GL-16」の考え方を踏まえつつ、製品性能や施工条件、施工管理方法なども含めて総合的に判断することが重要です。
例えば、以下のような項目を確認することで、現場に適した接合方式を選定できます。
- 火気を使用できる現場か
- 狭小空間で施工する必要があるか
- 作業時間や工期に制約があるか
- 施工時の人的ミスをいかに防ぐか
- 必要な圧力・温度条件を満たしているか
- 施工後の品質確認をどのように行うか
- 既設配管や建物の利用状況に適しているか
安全対策の要否と、継手そのものの性能や施工性は、それぞれ異なる観点から評価する必要があります。ガイドラインに基づき必要な安全対策を講じたうえで、製品性能や施工条件を総合的に比較し、現場に適した接合方式を選定することが重要です。
まとめ
「JRA GL-16」では、安全対策要否の判定が(継手の種類に関係なく)すべての物件で必要となりますが、安全対策が必要となる(最大冷媒濃度が規定値(LFL/4)を超える)場合において、ねじ接合継手とその他の火無し継手で扱いが異なるため、ガイドライン上の記載が継手選定に影響を与えるケースがあります。
また、継手選定では、ガイドライン上の扱いだけでなく、適合規格、製品性能、施工条件、施工要領、施工管理などを総合的に確認し、現場に適した接合方式を選定する必要があります。
RLS Japanでは、今後も製品性能や施工条件に関する情報提供を通じて、空調設備業界における適切な継手選定と、安全性に配慮した施工環境づくりに貢献してまいります。
RLSプレス継手をご検討中の方へ
冷媒配管用継手の選定において、製品性能や施工条件、施工管理を踏まえた接合方式をご検討の方は、RLSプレス継手の製品情報もぜひご覧ください。
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プレス継手の詳細については、RLS Japanまでお気軽にお問い合わせください。
参考資料
- 一般社団法人 日本冷凍空調工業会(JRAIA)
JRA GL-16:2025R 微燃性(A2L)冷媒を使用した業務用エアコンの冷媒漏えい時の安全確保のための施設ガイドライン
https://www.jraia.or.jp/jra/ - 一般社団法人 日本冷凍空調工業会(JRAIA)
微燃性(A2L)冷媒を使用した業務用エアコンを安全にご使用いただくために(GL-16 Q&A、補足説明資料)
https://www.jraia.or.jp/product/com_aircon/new_aircon.html - RLS Japan 製品カタログ(2026年1月版)
rls-japan.co.jp - JRA-GL-16に基づく継手選定の流れ.pdf