R32・R410A・R448Aなどの冷媒に対応するプレス式継手とは?A2L冷媒への対応を解説

ビル用マルチエアコンをはじめとする空調設備では、低GWP冷媒への移行が進んでいます。GWP(地球温暖化係数)は、冷媒などの温室効果ガスが地球温暖化に与える影響の大きさを示す指標で、数値が低いほどその影響が小さいことを示します。フロン排出抑制法の指定製品制度では、ビル用マルチエアコンに目標GWP 750が設定されており、GWP 2,090のR410Aから、GWP 675のR32など、よりGWPの低い冷媒を採用した機器への移行が進んでいます。 

一方、R32はR410Aとは異なり、微燃性のA2L冷媒に分類されます。そのため、冷媒を変更する際には環境性能だけでなく、安全性や機器、配管などの仕様についても確認が必要です。冷媒配管の接合方法を選定するうえでは、使用する継手が対象となる冷媒や冷凍機油に対応しているか、必要な使用圧力を満たしているかを確認することが重要です。 

RLSプレス継手は、R32、R410A、R448A、R454B、R1234yfなど、RLSが指定する複数の冷媒に対応しています。本記事では、R32への移行を取り巻く国内制度やA2L冷媒の基礎知識とともに、RLSプレス継手の冷媒適合性について解説します。 

ビル用マルチエアコンで進む低GWP冷媒への移行 

フロン排出抑制法では、環境への影響が大きいフロン類の使用を抑制するため、「指定製品制度」が設けられています。指定製品制度では、製品区分ごとに目標GWPと目標年度が設定され、メーカーは製品区分ごとに出荷台数の加重平均で目標GWPを達成することが求められます。そのため、目標GWPは個々の製品に対する一律の上限値ではありません。 

ビル用マルチエアコンについては、新設および冷媒配管一式の更新を伴うもののうち、冷暖同時運転型、寒冷地用、水冷式、氷蓄熱型などを除く区分(主に冷暖切替機種)では、目標GWP 750、目標年度2025年度が設定されています。一方、冷暖同時運転型、寒冷地用、水冷式、氷蓄熱型については、目標年度2027年度が設定されています。また、対象となる範囲には新設や冷媒配管をすべて更新する場合などが含まれ、既設配管を再利用する機器のみの更新は対象外とされています。R410AのGWPは2,090であるのに対し、R32は675です。このため、目標GWPの達成に向けて、ビル用マルチエアコンでもR32を採用した機器への移行が進んでいます。 

ただし、指定製品制度がR32という特定の冷媒の使用を義務付けているわけではありません。あくまで製品区分ごとに目標GWPを設定する制度であり、メーカーはその目標に対応した製品開発・冷媒選択を行います。 

R32とR410Aの違い:GWPとA2L冷媒 

冷媒を比較する際には、大きく分けて「環境性能」と「安全性」という2つの観点があります。環境性能を示す代表的な指標がGWP(地球温暖化係数)です。GWPが低いほど、地球温暖化への影響が小さい冷媒とされています。 

一方、安全性については、冷媒の毒性と燃焼性に基づく分類があります。ASHRAE Standard 34では、毒性について低毒性を「A」、高毒性を「B」とし、燃焼性について「1」「2L」「2」「3」に分類しています。このうち、R410AはA1(不燃性)、R32はA2L(微燃性)に分類されます。 

代表的な冷媒を比較すると、以下のようになります。 

冷媒 GWP 安全区分 主な用途・特徴 
R410A 2,090 A1(不燃性) 既設の空調設備で広く使用 
R32 675 A2L(微燃性) 低GWP化に伴い、新しい空調機器で採用が拡大 
R454B 466 A2L(微燃性) R32とR1234yfの混合冷媒。対応機器で使用 
R448A 1,387 A1(不燃性) 主に業務用冷凍・冷蔵用途などで使用 
R1234yf 4※ A2L(微燃性) 極低GWP冷媒。カーエアコンや一部HVAC/R用途などで使用 

A2L冷媒で求められる安全対策 

R32などのA2L冷媒を採用する場合、低GWPであることだけでなく、微燃性冷媒として必要な安全対策を考慮する必要があります。日本では、業務用空調設備におけるA2L冷媒の安全対策について、JRAIA(一般社団法人 日本冷凍空調工業会)のガイドラインなどで具体的な考え方が示されています。 

JRA GL-20では、特定不活性ガスを使用した冷媒設備の冷媒ガスが漏えいしたときの燃焼を防止するための適切な措置が示されています。また、JRA GL-16では、微燃性(A2L)冷媒を使用した業務用エアコンの冷媒漏えい時の安全確保のための施設ガイドライン(冷媒漏えい時の検知・警報設備、安全遮断弁、換気設備設置など安全対策)が示されています。 

これらの安全対策と、冷媒配管の接合方法は分けて考える必要があります。A2Lという分類そのものによってRLSプレス継手の圧着方法が変わるわけではありませんが、設備全体としては、使用する冷媒や機器に応じた安全対策を講じる必要があります。 

冷媒の種類が配管仕様にも関係する理由 

冷媒の選択は、空調機器だけの問題ではありません。冷媒配管や継手についても、使用する冷媒との適合性を確認する必要があります。 

特にプレス式継手では、シールに使用するOリングが、冷媒や冷凍機油に対して長期間にわたり性能を維持できることが重要です。また、冷媒やシステムによって使用圧力が異なるため、継手の最高使用圧力についても確認が必要です。これは、既存設備の更新や段階的な設備更新を行う場合に特に重要になります。 

たとえば、同じ建物内で既設のR410A設備と新設のR32設備が混在するケースも考えられます。継手が冷媒ごとに異なる場合、施工現場ではそれぞれに対応した継手や工具、施工方法を管理する必要があります。複数の冷媒に対応する継手を採用することで、こうした施工・資材管理を効率化できます。 

RLSプレス継手が複数の冷媒に対応できる理由 

RLSプレス継手では、360°の金属圧着とHNBR素材のOリングを組み合わせたデュアルシーリング構造を採用しています。継手を専用ツールで圧着することで、接合部のシール性能と気密性を確保します。RLSの仕様では、複数の冷媒および冷凍機油に対応しています。 

  • 対応冷媒:R32、R410A、R448A、R454B、R1234yfなど、RLSが適合を確認している冷媒  
  • 最高使用圧力:4.8MPa  
  • Oリング使用温度範囲:-40~149℃  
  • 対応冷凍機油:鉱物油、POE、PVE、PAG  
  • 保証:15年間の限定保証 

公表されている適合冷媒以外の冷媒や混合冷媒を使用する場合は、事前にRLSの最新の適合情報を確認する必要があります。

使用圧力も確認が必要  

冷媒に対応したシール材を使用しているだけでは、継手の適合性を判断することはできません。使用する空調設備の設計条件が、RLSプレス継手の使用圧力範囲内であることも確認する必要があります。RLSプレス継手の日本市場向け仕様では、最高使用圧力は4.8MPaとされています。 

R32やR410Aなどを使用する場合も、冷媒名だけで判断するのではなく、使用する機器やシステムの設計条件を確認し、RLSの適合範囲内であることを確認することが重要です。 

R410AとR32が混在する現場でも同じ継手システムを使用可能 

R410AからR32への移行は、すべての設備が一斉に切り替わるものではありません。既設設備では今後もR410Aが使用される一方、新しい設備ではR32をはじめとする低GWP冷媒の採用が進んでいきます。そのため、改修工事や設備更新では、同じプロジェクト内で複数の冷媒を扱うケースも想定されます。 

RLSプレス継手は、R32とR410Aの両方を含む複数の冷媒に対応しているため、冷媒ごとに異なる継手システムを使い分ける必要がありません。同じ基本的な施工方法で対応できるため、複数の冷媒が混在する現場における継手・工具の管理や施工計画の簡素化にもつながります。 

ただし、これはあくまでRLSプレス継手の冷媒適合性についての話です。既設のR410A配管をR32機器への更新時にそのまま再利用できるかどうかは、別途判断する必要があります。銅管の管径・肉厚・状態、残留する冷凍機油などを確認し、使用する空調機器メーカーの設計・施工要領に従って判断します。 

「RLSプレス継手がR32とR410Aの両方に対応していること」と「既設のR410A配管をR32で再利用できること」は同じ意味ではありません。 

まとめ

ビル用マルチエアコンでは、指定製品制度を背景として低GWP冷媒への移行が進んでいます。一方、既設設備ではR410Aが引き続き使用されるため、冷媒配管には複数の冷媒に対応できる柔軟性が求められます。 

RLSプレス継手は、R32、R410A、R448A、R454B、R1234yfなど、RLSが適合を確認した複数の冷媒に対応しています。また、金属圧着とHNBR素材のOリングを組み合わせたデュアルシーリング構造を採用し、冷媒や冷凍機油への適合性、使用圧力、温度範囲などの仕様が定められています。 

これにより、冷媒ごとに異なる継手システムを用意する必要がなく、既設設備と新設設備が混在する現場でも、冷媒配管の施工・資材管理を効率化できます。ただし、使用にあたっては、対象となる冷媒がRLSの最新の適合冷媒リストに含まれていることに加え、使用する機器の設計圧力や配管仕様などがRLSの適合条件を満たしていることを確認することが重要です。 

RLSプレス継手をご検討中の方へ  

RLSプレス継手の対応冷媒や最高使用圧力、Oリングの仕様などについて詳しくは、RLS Japanの最新の製品カタログ・仕様書をご確認ください。 

また、RLSプレス継手をご使用いただいているお客様は、施工事例や現場での活用事例をぜひ以下のSNSでご紹介ください。皆さまの投稿をお待ちしています。   

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プレス継手の詳細については、RLS Japanまでお気軽にお問い合わせください。

参考資料


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