RLSプレス継手の信頼性とは?冷媒漏えい・振動・長期性能への対応を解説

冷媒配管における「信頼性」には、明確な基準があります。それは、漏えいが発生しないこと、接合部に不具合が生じないこと、そしてシステムの運用期間全体を通じて安定したシール性能を維持できることです。施工直後に問題がなくても、長期間の使用において振動や圧力変動によって緩みや劣化が発生する場合、その施工は十分な信頼性を備えているとは言えません。 

RLSは、この要件を満たすためにHVAC/R向けプレス式継手を開発しました。金属同士(Metal to Metal)の圧着とHNBR素材のOリングシールを組み合わせたRLS独自のデュアルシーリング機構により、圧力変動、熱膨張、地震など実際の運用環境下でも安定した接続性能を発揮するよう設計されています。施工品質は継手構造と専用プレスツールによって制御されるため、施工者の経験や技能によるばらつきを抑制できます。 

冷媒配管の信頼性を左右する3つの課題

冷媒配管の信頼性が低下する主な要因は、以下の3つに分類されます。いずれも接続方式の設計や施工品質、そして長期的な性能維持に関係する重要な要素です。商業用空調設備では、これらは単なる保守上の課題ではなく、設備運用や法令対応にも影響します。

  • 接合部からの冷媒漏えい:フロン排出抑制法(2015年4月施行)に基づき、冷媒漏えいは管理・報告対象となります。また、R32冷媒を使用する設備では、天井裏などの狭小空間で漏えいが発生した場合、条件によっては着火リスクにつながる可能性があります。日本では、GWPが750を超えるR410A冷媒を使用する指定製品について規制が進んでおり、R410A冷暖切替(H/P)機種は2025年4月以降メーカー出荷停止、冷暖同時システムは2027年4月以降出荷停止、リプレース機種は2029年出荷停止予定となっています。現在の新設設備ではR32への移行が進んでいます。 
  • 振動による接合部の緩み:日本では年間1,500回以上の地震が観測されており、配管接合部には運転振動や地震による繰り返し荷重が作用します。一定の締結力の維持に依存する接続方式では、長期的な緩みリスクが発生する可能性があります。 
  • 長期使用によるシール劣化:OリングがA2L冷媒や使用温度範囲に適合していない場合、初期施工品質に関わらず経年による性能低下が進行します。 

RLSプレス継手は、これら3つの課題を前提として設計されています。機械的な固定機能とシール機能のデュアルシーリング機構により、振動・漏えい・長期使用に対する信頼性を確保し、商業用HVAC/Rシステムの幅広い運転条件下で安定した性能を維持します。 

漏えい・振動・長期使用に対応するRLSの設計

冷媒配管には、漏えい、振動、長期使用による性能低下といった課題があります。RLSプレス継手はこれらを考慮して設計されており、その信頼性は以下の仕様や認証データによって裏付けられています。

仕様 数値 実務上の意味 
最大使用圧力 4.8 MPa (700 psi) VRF(ビル用マルチエアコン)を含む高圧冷媒システムに対応 
最小破壊圧力 14.5 MPa (UL207) 使用圧力の3倍以上で破壊試験により確認 
Oリング使用温度範囲 -40°C〜+149°C ヒートポンプ運転を含む幅広い条件に対応 
適対応冷媒 R-32、R-410A、R-134a、R-290(可燃性あり)など多数冷媒に対応 現行および次世代A2L冷媒に対応 
耐振動性 UL109適合 振動環境下でのシール性能維持を確認 
対応配管サイズ 6.35mm〜41.28mm VRFおよび商業用HVAC配管をカバー 
保証 15年限定保証 長期性能に対するメーカー保証 

UL207認証は、最大700 psiの冷媒システムに対応する第三者試験による検証結果を示します。UL109適合は、地震等による振動荷重が想定される環境下でも、圧着接合部がシール性能を維持できることを示しています。  

振動に対する接続部の信頼性

日本では、配管接合部に対して地震や運転振動による継続的な負荷が発生します。RLSプレス継手は米国で開発されましたが、日本特有の地震環境にも対応しています。 

日本の地震環境 
年間地震観測数 1,500回以上 
想定される負荷 運転振動、地震による繰り返し荷重 
配管への影響 接続部への継続的な応力 
求められる性能 振動下での接続維持、漏えい防止 
関連規格 UL109 

RLSのデュアルシーリング機構は、振動環境下での使用を前提に設計されています。「Metal to Metal」の圧着による固定とHNBR素材のOリングによるシール機能により接続し、接続部の性能を特定の締付力の維持に依存しない構造としています。AHRI(米国冷凍空調工業会)の振動耐久ガイドラインでも、VRFシステムでは運転時の振動試験が求められ、運転サイクル後に漏えいがないことが確認されています。UL109適合は、この要求への対応を示すものです。 

 施工者の技能に依存しない、再現性のある接合品質継手の仕様は製品本体の性能を示すものですが、実際のシステム信頼性を左右するのは施工品質です。VRF施工における信頼性は、すべての接続部の平均値ではなく、最も弱い一箇所によって決まります。

信頼性の比較

項目 従来の施工方式 RLSプレス継手 
接合時の力 施工者に依存 専用プレスツールによる制御 
接合品質のばらつき 施工者や環境に依存 一定品質で施工可能 
施工後の確認 客観的確認が限定的 圧着時に刻印される「RLS」マーク、クランプゲージにより施工完了を確認可能 
トレーサビリティ 限定的 同一ツール・継手・手順で管理可能 

フロン排出抑制法の対象となる設備では、施工品質が作業者の技能によって変動しにくいことは、技術的なメリットだけではなく、設備リスク管理の観点でも重要です。 

また、RLS専用プレスツールは、技能者不足が課題となる施工現場においても有効です。短期間の習熟で施工が可能となり、各接続箇所でのろう付け技能への依存を低減します。

病院・データセンターでRLSが採用される理由

病院、データセンター、ホテルなどでは、冷媒配管の接合不良は単なるメンテナンス課題ではありません。

建物用途 接合不良時の影響 関連するRLS仕様 
病院 重要エリアの冷暖房停止、法令対応 UL207(700 psi)、15年保証 
データセンター 高負荷時の温度上昇、設備リスク UL109耐振動性能 
ホテル 居室空間でのR32漏えいリスク HNBR素材の Oリング、A2L冷媒対応 
オフィスビル 広範囲にわたる空間での冷暖房能力低下、フロン管理対応 デュアルシーリング機構、ツールによる施工完了確認 

RLSがこれらの用途で採用される理由は、信頼性を仕様と実績によって説明できるためです。世界で2,000万件以上の接続実績を持ち、専用プレスツールを使用することで1箇所あたり10秒未満で接続施工が完了します。多数の接合箇所を持つシステムにおいて、施工品質の均一性が長期的な信頼性を支えています。 

ASHRAE RP-1808の調査では、プレス式継手は耐久性試験の各項目において、施工不備および不具合件数が少ない結果を示したと報告されています。RLSプレス継手は、実証された性能と施工品質の再現性により、設計・施工を担うエンジニアや企業から選ばれています。 

なぜRLSは長期的な接続信頼性を実現できるのか

冷媒配管の信頼性は、継手単体の性能だけで決まるものではありません。漏えい・振動・長期劣化への対応力と、施工品質の再現性――この両輪が揃って初めて、長期的な接続信頼性が成立します。 

RLSは、デュアルシーリング機構による接続設計と、専用プレスツールによる施工品質の標準化を組み合わせることで、長期的な接続信頼性の確保を目指しています。これは、施工者の経験や勘に依存するのではなく、システム設計によって接続品質をコントロールするという考え方に基づいています。 

プレス継手の詳細については、RLS Japanまでお気軽にお問い合わせください。

参考資料


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