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業務用空調における銅配管接続は、長年にわたりろう付けが主流でした。実績のある工法ですが、施工には火気、資格保有者、そして安定した施工環境が必要です。しかし実際の現場では、天井裏や狭小空間、高所など、作業環境が厳しい据付現場もあります。
RLSプレス継手は、こうした従来施工とは異なるアプローチを提供します。専用プレスツールおよびジョーを使用することで、火気やろう付け(溶接)作業を必要とせず、迅速・簡単な接続を実現します。RLSはHVAC/R向けプレス継手のグルーバル市場におけるパイオニアとして、HNBR素材のOリングを用いた冷媒配管用継手、専用プレスツールを組み合わせた施工システムを構築してきました。2015年以降、日本を含む世界20か国以上で2,000万個以上の導入実績を有しています。
火無し銅配管接続の重要性を理解するうえで、特に重要なのがVRFシステムです。同空調システムは大容量空間の空調、個別分散制御が可能であり、配管長が長くなることからも、相当数の配管接続箇所が生じ、使用冷媒量が多くなる為、配管接合に使用される継手一つひとつの品質がシステム全体の信頼性に直結します。RLSプレス継手は、ろう付けで配管接続されることが多い箇所を、火気不要の機械式接続へ置き換えることが可能です。
火無し銅配管接続とは何か
火無し銅配管接続とは、施工時に火気を使用せずに配管接続を行う施工方法を指します。現場レベルでは、次の3要素が不要になることを意味します。
- 火気およびガスボンベ
- 火気使用許可
- ろう付け有資格者
ろう付けは確立された施工方法ですが、施工品質は施工者の技能や現場環境に左右されます。天井裏、高所、狭小空間、工程制約下など、実際の施工現場では常に整備された条件下で作業できるわけではありません。
一方、火無しプレス継手はアプローチ自体が異なります。専用設計の継手に対し、専用ツールで一定の機械的圧力を加えることで、恒久的な接続を形成します。施工条件や作業者の経験、スキルに左右されにくく、安定した高品質な施工が可能です。
RLSは、この火無し施工を実現するために、HNBR素材のOリングを組み込んだ冷媒配管用継手と、専用プレスツールを組み合わせた施工システムを構築しました。
なぜVRFで重要なのか
火無し配管接続が特に重要になるのは、VRFシステムです。単なる施工効率化ではなく、運用リスク管理の観点からも重要性が高まっています。
VRFでは、1台(もしくは複数)の室外機から複数の室内機へ冷媒を供給します。配管はオフィス、商業施設、ホテルなどの天井裏、パイプスペース等を長距離にわたり敷設します。
一般的なVRFシステムでは、以下のような規模になります。
- システム総配管長:最大1,000m
- 室外機〜室内機間の最長実配管長:最大165m
- 室内外機の最大高低差:最大90m
配管長が長くなるほど、必要な冷媒充填量も増加し、システム全体の継手数も増加します。総配管長が最大1,000mに達するVRFでは、天井裏、縦配管、分岐ジョイント部などに多数のろう付け接続箇所が存在します。さらに、RLSプレス継手では1カ所あたり10秒未満で接続が完了するため、継手数が多い大規模VRF施工において、施工効率の面でも大きなメリットがあります。
これら一つひとつの継手が、長期的なシステム性能、品質を左右する重要ポイントとなります。RLSプレス継手は、それらすべてのろう付け接続箇所に適用可能であり、火気を必要とする施工を専用ツールによる機械式接続へ置き換えます。
冷媒そのものも、新たなリスク要因となっています。VRFシステムにおいて、指定製品制度によりGWPが750を超えるR410A冷媒を使用することが禁止されており、段階的にR32 (GWP 675)機種への移行が進んでいます。
R410A冷暖切替(H/P)機種は既に25年4月以降、メーカーからの出荷が停止されており、27年4月以降は冷暖同時システム、29年にはリプレース機種が追加される予定となっております。
R32のGWP(地球温暖化係数)は675であり、R410Aの2,090と比較して大幅に低減されています。これは環境負荷低減の観点で大きな前進です。一方で、R32はISO 817においてA2L(微燃性)に分類されています。不燃性のR410Aとは異なり、狭小空間で冷媒漏えいが発生した場合、単なる性能低下ではなく、着火リスクも伴います。さらに、日本のフロン排出抑制法(2015年4月施行)では、業務用空調設備におけるフロン類漏えいの管理・報告・削減が義務付けられています。施工不良に起因する冷媒漏えいは、単なる保守上の問題ではなく、法令対応上の課題にもなります。
また、JRAIAガイドライン(JRA GL-16:2025)では、A2L冷媒を使用した施工に関する安全基準が定められていますが、運用の最終判断はプロジェクト、現場ごとに行われます。
こうした「規制」と「施工現場」の間にあるギャップこそ、最終的に施工品質、安全性を左右する領域です。RLSプレス継手は、各継手における人的施工のばらつきを抑制することで、この課題へ直接アプローチします。
プレス継手はなぜ火気が不要なのか
RLSプレス継手は、機械的圧着によって接続を形成します。熱、火気、ろう材は一切使用しません。接続は、RLS専用プレスツールで銅管が差し込まれた継手をワンプッシュするだけで完了します。
プレス接続とろう付けによる接続には、以下のような違いがあります。
| 火無しプレス継手 | ろう付け | |
| 接続方法 | 継手を専用プレスツールで圧着 | ろう材を加熱、流し込むことにより接合 |
| 密閉方法 | 継手内部のHNBR素材のOリングによる密閉 | 溶融したろう材による密閉 |
| 施工に必要なもの | 継手、専用プレスツール | トーチ、ろう材(ろう付け継手) |
| 品質の安定性 | 専用ツールにより一定圧力で圧着 | 加熱条件や施工技能に左右されやすい |
| 火気使用 | 不要 | 使用 |
ろう付けでは、加熱温度やろう材の流し込み精度によって品質が左右されます。一方、プレス継手では、継手構造とOリング、そしてツールによる圧着制御によって接続品質が担保されます。
つまり、施工品質の再現性を、作業者の技能依存ではなくシステム設計側で担保する考え方です。そのため、開放空間でも、400mm程度の狭小天井裏でも、同じ施工プロセスで接続できます。
RLSシステムの仕様
RLSはHVAC/R向けプレス継手(HNBR素材のOリングを使用)を開発し、専用ツールを用いたMetal to Metalによる圧着を実現しています。異なる手配部材を現場で使用、施工する方式ではなく、一体設計された接続システムを提供します。
主な仕様は以下の通りです。
| 項目 | RLS仕様 |
| 最大使用圧力 | 4.8MPa (700psi) |
| Oリング対応温度範囲 | -40°C~149°C |
| 振動耐性 | UL109適合 |
| 対応冷媒 | R410A、R32、R448A、R1234yf(HFC・A2L対応) |
| 対応配管サイズ | 6.35mm~41.28mm |
| 保証 | 15年間限定保証 |
RLSは世界で2,000万件以上の導入実績を有しています。施工時間は一般的なろう付けと比較して約60%短縮可能とされており、ガスボンベ、火気使用許可が不要、また窒素ブロー、バックシールのような作業工程も不要です。
なお、RLSプレス継手の施工には、専用ツールの使用が必要です。
確立された施工方式
HVAC/R向けプレス継手は、現在検証段階の新技術ではありません。欧州・北米・豪州市場では、業務用冷媒配管における標準的な施工方式としてすでに普及しています。特に、火気規制が厳しい市場や、技能者の確保が困難、人件費が高い地域ほど、早期にプレス継手への移行が進みました。RLSは2015年以降、世界で2,000万件以上の導入実績を積み重ねています。
また、RLSは日本のHVAC&R JAPAN、米国のAHRI Exhibition、欧州のChillventa、Mostraに出展しております。HVAC/R向けプレス継手はすでに普及製品とカテゴライズされています。
日本のVRF施工企業にとって、プレス継手の導入は「未検証技術への挑戦」ではありません。すでに海外市場で最も確立された火無し施工技術であり、日本の業務用HVAC市場においても同様に普及が進むことと想定されます。
プレス継手の詳細については、RLS Japanまでお気軽にお問い合わせください。
参考資料
- https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/hoan_shohi/chemicals/fluorocarbons/pdf/001_07_00.pdf
- https://www.env.go.jp/earth/furon/files/int_01-16_202503.pdf
- https://www.jraia.or.jp/product/file/A2L_guide_2025_250416.pdf